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寺山修司の競馬エッセイ、ベスト5。  

現在週刊Gallop誌において、創刊15周年特別企画として「復刻!寺山修司」というコーナーが設けられている。数ある寺山修司の競馬エッセイの中から、編集部が選んだエッセイ数編を紹介していくもので、今週で4回目。次回がラストになっている。
ここまで紹介されたエッセイは……
(1)競馬四つの愉しみ(山河ありき)
(2)第三コーナーの怪談(競馬への望郷)
(3)馬の名は情婦マノン(競馬放浪記)
(4)男の敵(旅路の果て)

ざっくり解説すると、(1)はそのタイトル通り、寺山的競馬の愉しみ方を綴ったもの。馬を見る愉しみ、競馬場へ行く愉しみ、賭ける愉しみ、遊戯としての愉しみの4点から、競馬を分析している。その総括的な位置づけで「予想する愉しみ」として、第47回の日本ダービー予想コラムが載っている。
(2)は、府中競馬場の第三コーナーの悲劇にまつわるオカルト話。事故が多発する理由を面白おかしく夢想し、さらには拝み屋の婆さんまで登場する三文オペラである。
(3)は、マノンという牝馬から、同名のフランス女優マノン・レスコーに思いを馳せたエッセイ。こうしたマイナーな未勝利馬で、浪漫溢れるストーリーを作り出すのも寺山流エッセイの醍醐味である。
(4)は、テンポイントとトウショウボーイの最期の有馬記念を描いた大作。ここにも多くの競馬無宿たちが登場し、思い思いの有馬記念を描いていく。レースの描写はスリリングで、スポーツライター寺山の一面を垣間見える。本編にはないが、テンポイントの死後に書かれた追悼詩も素晴らしい。

僕も自慢じゃないが、恐らく現存し、手に入る寺山の競馬エッセイはすべて目を通している(と思う)。ここに紹介した4篇も捨てがたいが、僕が選ぶとすれば違うものになる。そこで、改めて寺山エッセイを読み漁り、自分なりのベスト5を選んでみた。

(1)ケンタッキーダービー報告(馬敗れて草原あり)
このエッセイは、僕が世界競馬放浪の旅に出るきっかけになった作品でもある。
舞台は1968年。ダービーに出走する一頭の馬、ダンサーズイメージに心奪われ、この馬と心中することに決めた寺山修司。大本命フォワードパス相手に、伏兵ながら素晴らしい末脚を繰り出して、見事にダービーに優勝するが……。単なる観戦記にとどまらず、まるで推理小説の如く展開していくストーリー。史実に基づいているが、まるで創作のような内容に、百度は読み返した一篇である。

(2)騎手伝記 吉永正人(競馬への望郷)
寺山がもっとも愛した騎手、吉永正人について書かれたエッセイ。騎手エッセイはこの他にも、柴田政人や郷原、中島、赤羽、武邦(武豊の父ちゃん)、小島太らについても書かれているが、中でも吉永のエッセイがもっともに胸に刺さった。妻を病で亡くした後、凋落していく名ジョッキー。その再起を願いつつ、往年の名騎乗を紙上で蘇らせている。彼はきっと復活する。そんな寺山の想いが、随所に込められており、寺山の吉永に対する愛の深さが分かる仕上がりになっている。

(3)ダービー紳士録(馬敗れて草原あり)
1969年のダービーを、出走馬の一頭一頭にスポットを当てて推理していくストーリーである。それも、馬をギャングやならず者、殺し屋に見立てて考えているのが乙。タカツバキをタートルネックを着た埼玉のやくざ、マスミノルの白面を「刺青」、ダイシンボルガードを臆病者の殺し屋、ギャロップを持ち込み流れ者などなど、馬の個性を滑稽に描写している。寺山自身の予想がないため、予想コラムとしてではなく、それこそ読み物として成立している。

(4)ハイセイコー敗れたり(競馬無宿)
ハイセイコーのダービー敗戦にまつわる数々の憶測。それらを、童話研究家やら名探偵やら怪奇作家やら人情家やらがあれこれ分析していく。その分析たるや、やれすり替えだとか八百長だとか脳を移植しただとか、ハイセイコーを愛するが故に突飛な話が次々に登場するから堪らない。しかし、そうでもしなければ、ハイセイコーが負けたことを受け入れられなかった当時の競馬ファン。その気持ちを寺山はこのエッセイで代弁したのだと思う。恐らく、有馬記念でディープインパクトが負けた時以上の衝撃だったに違いない。

(5)わが心のジャパンカップ~戦いすんで日は暮れて(競馬放浪記)
記念すべき第1回ジャパンカップ。その直前のざわめきから、レースレビュー、そして観戦記までを綴った長編エッセイ。途中、アメリカの名騎手シューメーカーとの対談も挿入されている。驚きだったのは、この時点ですでに招待レースの問題点(検疫の長さ)を指摘していることである。ただ国際レースを開催するでなく、面白いレースを作り、見せること。その大事さを説いている。そう考えると、この20数年、日本競馬の国際化はそれほど進んでいないのかもしれない。

以上、自分なりの5編を選んだ。もちろんこの他にも、カブトシローについて書かれた論文、キーストンにまつわるエッセイ、寺山がもっとも愛した馬ミオソチスの話などなど、数え上げればキリがない。俺も、こんな話が書きたいなぁと思いつつ、時間ばかりが過ぎていくのであった。
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