春G。 

■高松宮記念/2005 サニングデール/福永
サニングデールの中京巧者ぶりもあるが、ここは福永の好騎乗で選んだ。ロスなくコースを取り、最高のレース運び。一方のデュランダルは相変わらずの後方一気。突っ込んでくる脚は凄かったが、あれでは中京のGIは勝てない。福永の方が上手だった。ちなみに馬券を取った。

■桜花賞/2003 スティルインラブ/幸
スティルインラブは3冠とも素晴らしいレースが多い。しかし、桜花賞がもっとも印象的だった。前走のチューリップ賞で負け、幸にGIは遠いかと思われたが、人馬ともに重圧に勝った。負けて、肩の力が抜けたとも言えるが、それでも美しい勝ち方だった。早熟故に古馬になってもがき、繁殖にあがってはわずか一頭の仔を残したのみで逝ってしまった。残念無念だ。

■皐月賞/2002 ノーリーズン/ドイル
はじめて見た皐月賞。「GIでもこんなに荒れるんだ」と、度肝を抜かれた記憶がある。ゴールした時のフジの実況が印象的。「理由なき反抗とは言わないでくれ〜(確か青島アナだったはず)」。上手い事言うなぁと感心した。その後が不遇で、このレースはフロック扱いされてしまったが、僕の中では強烈なインパクトともに残っている。

■NHKマイルC/2004 キングカメハメハ/安藤勝
これが一番苦労したかもしれない。特筆すべきレースがなかったのだ。一応、後のダービー馬が圧勝したこれを選んだが、ピンクカメオが勝った年と迷った。ただこちらはただ荒れただけという感じがしないでもないので、キンカメを上位にした。カメはここを勝って、ダービーも勝った。同厩の先輩が成し得なかった偉業を達成し、「変則二冠」なる言葉を生み出した。この言葉の是非については長くなるので問わないが、このツケが回って古馬になる前に引退を余儀なくされた。

■オークス/2005 シーザリオ/福永
これも迷った。スティルも捨てがたいが、レースのレベルを考えてこちらにした。一昔前は荒れると言えば「秋華賞」だったが、最近はオークスの方が荒れている印象。牝馬にとって2,400メートルってのが未知すぎるのかもしれない。そんな中にあって、人気通りに決着した珍しい年。同じスペシャルウィーク産駒にブエナビスタがいるが、僕はシーザリオの方が上だと思っている。無事に古馬になり、ディープインパクトの対決が見たかった。

■ダービー/2002 タニノギムレット/武豊
ベスト20にダービーがランクインしていないのも問題だろう。好きなレースではあるが、どうも好きな馬がいないってのが問題で、比較的に予定調和(とんでもない馬が来ない)というのが、自分的にレースとして面白みがないと感じているのかもしれない。
しかし、そんな中でも最初に見たこのダービーは鮮烈な印象が残っている。皐月、NHKと敗れたタニノギムレットが、鬱憤を晴らすかのような末脚を披露して、快勝した。結局この春一連の無理が引退することになってしまったが、素晴らしいレースではあったことに違いない。産駒が走っている理由は、もしかしたら「出走数の少なさ」に関係しているかも。

GI限定。 

思い出レースベスト20を書き終えた。自分の競馬史をこういう形で振り返るってのも、中々乙であった。しかし、改めて見ると、非常にレースが偏っていることに気がついた。この偏りが自分の競馬観ということになるのだろうが。
Heaven氏と話をしていて、「だったらGIに限って、それぞれBESTを決めるってのも面白いね」ということになった。確かに面白そうだ。せっかくだから、考えてみる。

レース勝馬騎手
フェブラリーS2002アグネスデジタル四位
高松宮記念2005サニングデール福永
桜花賞2003スティルインラブ
皐月賞2006ノーリーズンドイル
天皇賞・春2006ディープインパクト武豊
NHKマイルC2004キングカメハメハ安藤勝
ヴィクトリアマイル2008エイジアンウインズ藤田
オークス2005シーザリオ福永
ダービー2002タニノギムレット武豊
安田記念2008アサクサデンエン藤田
宝塚記念2003アドマイヤムーン岩田
スプリンターズS2003サイレントウィットネスコーツィ
秋華賞2006カワカミプリンセス本田
菊花賞2002ヒシミラクル角田
天皇賞・秋2008ウオッカ武豊
エリザベス女王杯2001トゥザヴィクトリー武豊
マイルチャンピオンS2003デュランダル池添
ジャパンカップダート2004フリートストリートダンサーコート
ジャパンカップ2003タップダンスシチー佐藤哲
阪神ジュベナイルF2001タムロチェリーペリエ
朝日杯FS2003コスモサンビームバルジュー
有馬記念2002シンボリクリスエスペリエ

ライトグリーンの帯があるレースはベスト20にもランクインしているもの、薄緑の帯があるのは超法規的措置としてかろうじてレースを見、馬券を買った2001年のレースから選ばせていただいた。
各GIに限ってBESTを決めるとなると、当然ながら難航する。BEST20の時点で一旦は吟味し、それでランク外になったレースだからだ。そこからピックアップするとなると、やはり決め手がないというか、中々選びにくかった。レビューは次回。

1位。 

第1位 2003年/ジャパンカップダート フリートストリートダンサー(コート)
MY BEST RACE 20、栄えあるNo.1に輝いたのはフリートストリートダンサーvsアドマイヤドンの長い長い直線の攻防が、今でも忘れられない2003年のJCダートである。テレ東の実況が、際どい結果にも関わらず圧倒的1番人気のアドマイヤドンが「捻じ伏せた」と言ってしまい、結構問題になったレースでもある。結果はフリートストリートダンサーが4cm差で勝っていた。ベテラン実況が思わず間違えるほどのレース、それがこのJCダートに心惹かれる理由でもある。
この年、アドマイヤドンは鞍上が藤田からアンカツに変わり、連戦連勝。ドンと藤田のコンビが大好きだった僕は、何とも附に落ちない気持ちでドンの活躍を見ていた。コンビ解散自体が納得できないのに、よりによってこれほどまで強くなってしまったのだから、複雑だった。
そうして向かえた大一番、JCダート。当然のごとく圧倒的1番人気(1.5倍)。日本馬で対抗できそうなのはダートに矛先を変えてきたサイレントディール位だと思われており、□外は例年通り「どうせ記念参加だろう」と捨てられていた(出走した2頭は11番人気と13番人気)。
しかし、僕はフリートストリートダンサーを対抗に推していた。というのも、競馬新聞の記事に当馬の調教師コメントが出ており、覚えていないが何か非常に面白いことを言っていた。多分、調教に関することと馬の状態に関することだったように記憶している。とにかくそれがどうにも気にかかり、どうせ買うならば日本馬より外国馬と思ったのは間違いない。
レースについては多く語る必要はあるまい。映像を観てもらうのが何よりだ。ただ言えるのは、ダート大国アメリカを舐めちゃいかん、ということである。最後の直線、一度はドンが交わした。今までのパターンならば、そのまま突き放して圧勝である。しかし、今回は違った。フリートストリートダンサーは交わされても捨てられず、馬体を併せて喰らい付いていったのである。ドンとアンカツはびびったに違いない。いつもと違う相手、いつもと違う展開。「あれ、まだいる?」そんな風に思ったかどうか。とにかく、千切れない。それどころか再び盛り返し、鼻面を併せてきた。必死に叩き合う2頭。組んず解れつしながら、ほぼ同時にゴールに飛び込んだ。外アドマイヤドン、内フリートストリートダンサー。掲示板には中々数字が表示されない。場内は騒然となった。長い写真判定の末、1着(5)-2着(6)と点滅。フリートストリートダンサーが差し返していたのである。ターフビジョンでは、地下馬道を悠然と帰るフリートストリートダンサーの後姿。後光が差しているようで、僕は思わず息を飲んだ。その背中は「アメリカを舐めちゃいかんぜよ」と言っているようだった。
何度も書いてきたが、何故かドンはJCダートに縁がなかった。3度挑戦して3、2、2着。しかも全て1番人気である。これはもう何かに摂り付かれているとしか思えない。中山GJのカラジとは逆だ。
最後に馬券の話。本命ドン、対抗フリートであるとはすでに書いた。本線はこの2頭からスターキングマンだった。そして4着。痛恨の極みである。

2位。 

第2位 2005年/スプリンターズS サイレントウィットネス(コーツィ)
香港が世界に誇るスーパースプリンター、サイレントウィットネス。この馬、デカイということも影響してか「速い」というよりも「強い」という印象が大きい。事実、強い。そして、何がカッコイイかと言えば負けた安田記念のリベンジを、きっちり得意のスプリント戦で返したこと。中々できるものではない。
サイレントウィットネス絡みのレースが何故にベスト5に2つも入っているかと言えば、やはり香港競馬を観に行ったことが大きい。現地で実際に当馬のレースを見たわけではないが、その人気っぷりはまざまざと見せ付けられた。パドックでは連勝の世界記録に並んだレースを中心に、延々サイレントウィットネスのレースを放映していたし、場内の壁には巨大な絵が描かれ、繁華街のブティックでは当馬のTシャツが売られていた。まさに香港スター並みの人気であった。これがちょうど2005年のGWのこと。そして直後に安田記念に参戦したので、妙な親近感を抱いてしまったのである。
記憶が確かならば、1番人気の□外がその通りに優勝した最初のケースだったはず。ゴルゴ13並の仕事完遂っぷりもこの馬の魅力。最近では国際指定競走とは名ばかりで、微妙な招待馬が多い。間違っても1番人気などにはならない(その点では、日本の競馬ファンも勉強してきているってことでもある)。だからこそ、サイレントウィットネスの1番人気1着には意味がある。誰もがこの馬の実力を認め、また馬自身もそれに応えたわけだ。
さて、レースの話。逃げるカルストンライトオを視界の隅に捕らえながら、道中は4〜5番手。ペースにも惑わされず、余裕の手ごたえである。対する日本の大将格デュランダルは、例の如く最後方。最後の直線に入る、流石にばてたカルストンを一歩一歩捕まえに行くサイレントウィットネス。一歩がでかい。まさに獲物を捕らえる捕食者のそれである。瞬く間に飲み込み、力強く中山の急坂を駆け上がる。大外からデュランダルが猛烈な勢いで突っ込んでくるが、サイレントの脚色は全く衰えない。フィニッシュと同時に鞍上のコーツィがガッツポーズする余裕まで見せ付ける圧勝劇だった。競馬は生物で、蓋を開けるまでどうなるかはわからないが、このレースに限れば「何回やっても同じ結果だろうな」と思う。


3位。 

第3位 2007年/宝塚記念 アドマイヤムーン(岩田)
勝ったアドマイヤムーン、2着メイショウサムソンともに、特に思い入れがあるわけではない。この2頭のクラシック時期は丁度海外放浪していたため、残念ながら生でレースを観たことはない。しかし、だからこそこの2頭のライバル対決を冷静に観られたのも事実である。
豪華メンバーが集まった2007年宝塚記念。世間の注目を集めたのは、64年ぶりに牝馬でダービーを勝ったウオッカの出走だった。3歳牝馬ということで、斤量は破格の51kg。並み居る牡馬古馬を差し置いて、1番人気に祭り上げられた。宝塚記念自体、お祭り的要素を含んだレース故に、こうした現象もやむなしではあるが、僕は「危険だな」と思った。ウオッカにとって、当初から予定していたローテーションではなかったし、ダービー激走の疲れは確実にあったはず。いくらダービー馬とは言え、歴戦の古馬相手に通用するかどうか。結果は自滅した。明らかにチグハグなレースで、終始馬群に包まれて、見せ場なし。8着に沈む。
その遥か前方では、メイショウサムソンvsアドマイヤムーンの頂上決戦である。横綱相撲を展開するサムソンを、ピッタリとマークするムーン。展開としては、今年の宝塚記念に似ているかもしれない。しかし、役者は違った。力強く抜け出したサムソン、併せに行くムーン。このパターンになると、圧倒的にマークされていた方が不利である。しかし、サムソンはしぶとかった。一度交わされかけても、そこからまた伸び、ムーンに食らいつく。ムーンも最後の力を振り絞る。何とかサムソンを凌ぎきったところがゴールであった。
この春、GI戦線がことごとく荒れた。普段、穴党を自負する僕もいささか食傷気味だった。そんなところに、力vs力、意地vs意地、エースを賭けたガチンコ対決。素直に痺れた。これこそ競馬。そう思わせてくれた。そして秋、天皇賞ではサムソンが勝ち、JCではムーンが勝った。何故か、あまりライバル対決という構図では呼ばれなかった2頭だが、僕にとっては近年最高のライバル2頭だったのである。



4位。 

第4位 2006年/中山グランドジャンプ カラジ(スコット)
2005〜2007年の日本ジャンプ界は、カラジ抜きでは語れまい。3年連続優勝の偉業を成し遂げただけでなく、最後の優勝となった2007年時は12歳。化物としか言いようがない。しかも面白いことに、この3年間で勝ったのは中山グランドジャンプの3勝しかないのだ。どれだけこのレースを愛していたのか。毎年ステップとしてペガサスジャンプを使っているが、こちらはいずれも敗れていることから、馬がレースを知っていたとしか思えない。相当に頭が良い馬である。
カラジの勝った3勝の中でも、やはりベストは2006年。テイエムドラゴンとの一騎打ちになったレースである。クビ差だけカラジが凌いでゴールした時、3着は7馬身後方、さらに4着はそこから5馬身、5着は3馬身と離れていた。この結果だけみても、どれだけ凄まじい戦いだったのかがうかがい知れる。

日本の障害競走は、どうしても欧州のそれに比べて格段に格も人気も落ちる。平地で頭打ちになった馬の先行き、それが障害だ。そんな中でもフジノオーやグランドマーチス、キングスポイント、ゴーカイら名馬は誕生してきた。日本馬ではないが、カラジもここに名を連ねていい馬だろう。カラジには夢がある。ディープインパクトやウオッカに勝るとも劣らない名馬だ。日本障害界は、カラジがいて幸せだった。願わくば、日本馬でカラジほどの闘志を持った障害馬が出てきて欲しい。頑張れ、ゴーカイ産駒。

5位。 

第5位 2005年/安田記念 アサクサデンエン(藤田)
今でも悔やまれるレースがある。それがこの安田記念だ。話は本番一週間前。ケータイの競馬サイトにある予想サイトにて、僕は◎サイレントウィットネス、○アサクサデンエン、▲スイープトウショウとチェックした。アサクサデンエンは藤田だし、サイレントウィットネスは香港旅行に行ったばかりでこの馬の偉大さを痛感した直後、スイープトウショウは府中得意、という簡単な理由だけだった。
本番までの一週間が毒だった。当時は暇さえあれば競馬、競馬、競馬。出走予定馬全頭について何度も検討し、ピックアップあるいはふるい落としを繰り返した。そして本番。当初の予想は何処へやら。アサクサ以外の2頭は押さえに回し、テレグノシスとバランスオブゲームに重い印を置いてしまった。己の愚かさを痛感したのは、レース後である。何と1着アサクサデンエン、2着スイープトウショウ、3着サイレントウィットネスで決まり、3連単は4658,4倍。100円が46万になる計算。しかも、最終的に本命に回した3頭のBOXは500円ずつ購入していたことを考えれば、もし当初の予定通りの3頭のBOXも500円ずつ買ったことになる。4658.4×500=2.329.200。約240万円の払い戻しを受けることができたのである。レース後、失神しそうになったのは言うまでもない。

僕の馬券失敗談は抜きにしても、レース自体も最高にスリリングだった。香港の英雄サイレントウィットネスは初のマイル、初の左回りにも関わらず堂々たる走りで他馬を圧倒した。スイープトウショウも牝馬らしいキレを見せて、豪快に追い込んできた。そしてアサクサデンエンは直線狭くなる不利がありつつも、藤田がジッと我慢して、「ここしかない」というタイミングで抜け出す。最後は3頭の壮絶な叩き合い。クビ、アタマ差の激戦を制して、アサクサデンエンが勝利した。素晴らしいレースだった。
馬券の悔しさとともに、このレースのVTRは10回は見直している。当たっていれば、確実にBEST1だった。

10〜6位。 

第10位 2008年/ヴィクトリアマイル エイジアンウインズ(藤田)
このレースのポイントは二つ。一つ、ウオッカがダイワスカーレット以外の同期の牝馬に敗れたこと。ここまで未対決だった2頭故に、この結果もあり得た。今年のウオッカを見れば分かるが、牝馬では歯が立たない。牡馬でも歯が立たない。それを牝馬が倒したというのは尋常じゃないということだ。
二つ、鞍上・藤田。何度もブログで書いているが、あしは藤田贔屓である。馬券を度外視しても、藤田が勝てば嬉しい。ちなみに騎手・フジ田、調教師・フジ原、種牡馬・フジキセキ。一フジならぬ、三フジで縁起物だった。最後に、エイジアンウインズはこのレースで引退してしまったが、よい仔を出して欲しい。

第9位 2004年/JCダート タイムパラドックス(武豊)
個人的に、JCダートは名勝負・名レースが多いという印象。ランクインはしていないが、2005年や第一回、第二回共に歴史に残る一戦だったと思っている。このレースの肝は、やはり武豊のライディングに尽きる。圧倒的人気を集めたアドマイヤドンと安勝は、どうしても安全策を取らざるを得なかった。つまり外を回った。一方、武とタイパラは勝負のイン強襲。これが嵌った。極力コースロスをなくし、ドンを凌ぎきった。その時の生な観戦記はこんな感じ。見応え抜群だった。しかし、アドマイヤドンはJCダートには縁がなかった(3回出走、全て1番人気で落としている)。

第8位 2006年/天皇賞・春 ディープインパクト(武豊)
このレースはリアルタイムで見ていない。旅していたから。しかし後々レース映像を観て、度肝を抜かれた。あんなレース、反則だろう。天皇賞・春の攻略法をまるで無視した強引な三角まくり。それでいて、直線後続を突き放すのだから、相手にしてみればたまったもんじゃない。各ジョッキー共、あれこれ考えて乗っただろうが、それも馬鹿らしくなるようなレースぷりだった。ディープ引退後、一時期武豊燃え尽き症候群などと囁かれたが、それも仕方がないかもしれない。どんな風に乗っても負けない馬に乗ってしまったら、他の馬じゃ物足りなくなるだろうに。しかし、インチキだ。

第7位 2002年/フェブラリーS アグネスデジタル(四位)
競馬物心ついた、初期GIレースがこれだ。暮に香港Cを勝ったアグネスデジタルの復帰戦。1番人気だったが遠征帰りに、久々のダート戦と不安はあった。しかし、危なげなく勝ってしまった。ゴール前、公営三冠馬のトーシンブリザードが猛追するも、その差はいつまでも縮まらず。「強い馬ってのは、どうなっても強いんだなぁ」と漠然と思った記憶がある。

第6位 2003年/ニュージーランドT エイシンツルギザン(横山典)
これはもう、ずばり馬券を当てたから。しかも本線で。それだけで、ベストレースと言ってもよい。この当時は毎週土日、ひたすらに競馬三昧。そのおかげで取れたレースでもある。エイシンツルギザンを選んだ理由は、前走を見ていたため。直線不利を受けて、消化不良だった。それを見越して、陣営は連闘で関東遠征。しかも、鞍上に横山典を配してきた。勝負気配濃厚だった。そして、見事にその期待に応えてくれた。
惜しむらくは、続くNHKマイルCでツルギザンを信じ切れなかったこと。そして、後々の淀短距離で大穴を開けたとき、馬券が取れなかったこと。大好きな馬だったが、縁があったのはこのレースだけだった。今は岡山で乗馬をやっているはずだ。余勢をゆっくり楽しんで欲しい。

危ないと思ったのに。 

競馬中継を見ていて、やけに皆がアルナスラインを押していた。データでも太鼓判、井崎周五郎もべた褒め、パドック診断もイチオシ。オッズにも若干影響したのか、直前では10倍を切ってきた。
「こりゃ危ないなぁ」
とは思ったが、好きな馬だし、頑張って欲しかったわけである。
そして案の定、掲示板にも乗れない6着。圧倒的一番人気のディープスカイまで連を外してきやがった。だから、やる前から「勝ったら凱旋門賞」だとか「ここを勝って海外」みたいなことを言うとろくなことはない。まさに獲らぬ狸の皮算用である。この負けでダービーを含む4連勝後、怒涛の5連敗。微妙な戦績のダービー馬になってしまった。しかも今回は、負け方がよろしくない。いくらマークされていたとは言え、ドリームジャーニーには力負けし、サクラメガワンダーを差す余力すら残っていなかった。3歳春の決め手はどこへやら?
サクラメガワンダーは絶好のチャンスで、福永も非常に巧くレースを運んだと思う。しかし勝ちきれない。GI馬の格じゃないってことだろうか。グラスワンダー産駒だし、あそこまで行ったのならば勝って欲しかったが、GIだとワンパンチ足りない印象。秋はペリエでも乗せてみるか?

15〜11位。 

第15位 2008年/天皇賞・秋 ウオッカ(武豊)
このレースはウオッカの……というよりはウオッカvsダイワスカーレットの……と表現した方がいいかもしれない。同期の牝馬2頭。一方はダービー馬、一方はそのダービー馬に勝ち越している牝馬。これだけ複雑なライバル関係は他にはないだろう。そして、その複雑さを象徴するかのような長い長い写真判定。どっちか欠けてもあり得なかったレースである。

第14位 2008年/フローラC ベッラレイア(秋山)
この当時はウオッカとダイワスカーレットに次ぐ、第三の女として注目を集めたベッラレイア。このレースの末脚は見事すぎた。本番のオークスで、同じような展開で差しきれなかったのは勝負の綾か、はたまた運か。その後の戦績を見る限り、オークスを取れなかったのが長く翳を引き摺っている印象。今は亡き父ナリタトップロードに勲章を捧げて欲しいのだが。

第13位 2007年/チューリップ賞 ウオッカ(四位)
このレースを観て、「牝馬は全部ウオッカが持っていくなぁ」と思わされた。それほど強烈だった。しかし結果から見れば、このレースで負けたダイワスカーレットはウオッカの足を測っていたことになり、桜花賞では見事に逃げ切った。そしてその敗戦があったからこそウオッカはダービーに回り、そして勝つ。つまりは、このチューリップ賞の結果がライバル2頭の歩む道を決めたということになった。

第12位 2003年/府中牝馬S レディパステル(蛯名)
友人のHeaven氏が愛してやまないレディパステル。TB産駒らしく府中巧者だったが、その真骨頂とも言えるレースだろう。スマイルトゥモローの逃げ切り濃厚かと思われたゴール前、まさに矢のごとき鬼脚で差しきった。いや差しきってしまった。正直、「脚がぶっ壊れるんじゃなかろうか」と心配になったほどだった。惜しむらくは古馬牝馬のGIが京都にしかなかったこと。京都ではこの末脚も鈍ってしまった。

第11位 2003年/宝塚記念 ヒシミラクル(角田)
近年、もっとも豪華なメンバーが集まったGIと言えばこの宝塚記念だろう。シンボリクリスエス、ネオユニヴァース、タップダンスシチー、ツルマルボーイ、ダンツフレーム、アグネスデジタル、イーグルカフェ、そしてヒシミラクル。後々まで含めれば、17頭中8頭がGIホースで、総GI勝利数は20を数えた。勝ったヒシミラクルは直前に天皇賞・春を制しており、何ら不思議はないのだが、それでも不思議に思わせる何かがあった。このレースで2億を儲けたミラクルオジサンなるものまで現われて、まさにお宝塚記念になった。